外科手術療法
肺がんの治療は、「外科手術療法」、「放射線治療」、「化学療法(抗がん剤療法)」の3方向が主流です。基本的に、肺がんの種類と、肺がんの進行度(病期)により、治療法は決定されるものになります。 また患者さんの体力と気力も重要な要素となってきます。治療法を決定するのは、医師ですが、その治療法を受けるかどうかを最終的に決定するのは、患者さんの意志だからです。
優先される「外科手術療法」
一般的に、まず優先されるのが、直接、がん細胞を取り除く「外科手術療法」です。肺がんの組織型と病期から手術の適応があるかどうかの判断をして、外科出に適応がある場合(転移や、浸潤が見られない段階の肺がん)には、外科手術が行われることになります。早期の非小細胞がんの場合は、ほとんどのケースが手術適応となるようです。
「外科手術療法」の対象とならない肺がんの場合(転移や浸潤をしている肺がん)には、「放射線療法」や「化学療法(抗がん剤療法)」などの治療法がおこなわれることになります。
外科手術療法がおこなわれる病期
- 小細胞がん 限局期(ⅠA期、ⅠB期)
- 非小細胞がん ⅠA期、ⅠB期、ⅡA期、ⅡB期、ⅢA期
標準手術(ひょうじゅんしゅじゅつ)
肺がんの外科手術療法で、最も標準的なものとなるのが、がんのある肺葉1つを切除する肺葉切除手術(はいようせつじょしゅじゅつ)です。肺野型肺がんに適用される手術で、具体的には、右肺に3つ・左肺に2つのブロックにわかれている肺の、がんができている肺葉をブロックごとに切除し、転移を防ぐために周囲のリンパ節を取り除くことになります。
Ⅰ期のがんの75~80%はリンパ節転移がないのですが、危険を防ぐためにも、リンパ節の切除は行われることが多いようです。肺がんの大きさによっては、2つの肺葉や片肺全部を切除するケースもあります。
一般的な手術法は、胸を10cm前後切開して肋骨の間から胸腔鏡(きょうくうきょう)を入れ、肺の中を直接見ながら、または、画像をモニターで見ながら外科手術が進められます。これは「胸腔鏡補助下手術」と呼ばれる手術で、現在、広く行われている肺がんの外科手術療法です。
縮小手術と拡大手術
縮小手術
5つのブロックにわけられる肺葉は、さらに肺小葉と呼ばれるさらに小さなブロックにわかられます。発見された肺がんがまだ小さい場合には、がんの肺区域だけを切除する、または、がんとその周辺だけを切除する「縮小手術(しゅくしょうしゅじゅつ)」が行われます。肺機能の低下を防ぐことができますが、周囲のがん細胞を見落とす危険性もありますので、選択される場合には注意が必要な手術となります。
拡大手術
肺がんが、肺の周囲へ浸潤しているケースでは、標準治療ではがんを切除することができません。そのため、がんが広がっている周辺の組織も含めて切除する拡大手術(かくだいしゅじゅつ)が行われます。その分、身体にかかる負担も大きくなる手術ですので、危険性の高い手術であるとも言えます。手術前に化学療法や放射線治療を行って、がんを縮小するという方法がとらえる場合もあります。
