化学放射線療法
「化学療法」
抗がん剤治療のことを一般的に「化学療法」と呼び、がんの代表的な全身療法と言えます。がんの薬物療法には、抗がん剤を用いる「化学療法」と、ホルモン剤を用いる「ホルモン療法」があります。肺がんの場合は、ホルモン療法はほとんど用いられず、「化学療法」が主流となっていることが特徴としてあげられます。細胞毒系抗がん剤は、がん細胞だけに作用するのではなく、正常な細胞にもダメージを与えるものです。そのため、痛みや副作用が出てしまうことに注意が必要となる治療法であると言えるでしょう。
「放射線治療」
がんに対して放射線を照射することで、がん細胞を殺傷する治療を「放射線治療(ほうしゃせんちりょう)」と言います。「外科手術療法」ができない患者さんや、脳転移・肺転移などの治療や症状緩和などさまざまな目的で用いられるものです。具体的には、がん細胞に放射線を当て、DNAに傷をつけて、増殖を抑えるという治療です。外科手術よりも体への負担が少ないことがメリットとしてあげられます。放射線によるDNAの損傷は、正常細胞にも起こるものがですが、細胞分裂が活発ながん細胞は、より大きなダメージを受けるため、「放射線治療」はがんの治療に有効であると言えます。「放射線治療」によって、がん細胞死滅しても、外科手術のようにがんを切除するわけではありませんので、痕跡は残ることになります。しかし、完全にがん細胞が死滅していれば、心配はないと言えるでしょう。
「化学放射線療法」による肺がん治療
抗がん剤を用いておこなう、がんの代表的な全身療法である「化学療法」。がんに対して放射線を照射することで、がん細胞を殺傷する局所的な治療を行う「放射線治療」。このふたつの治療を組み合わせて行うのが、
「化学放射線療法」です。
遠隔転移がなく、がんが局所にとどまっているⅢ期の非小細胞肺がんの場合、この「化学放射線療法」が、もっとも有効とされています。
「化学放射線療法」では、照射する放射線の総線量は、60グレイ程度で、抗がん剤治療を併用するのが一般的です。多くの抗がん剤は、放射線の効果を増強する傾向があります。その増強効果は、がん細胞にも正常組織にも見られるものですので、適度な増強効果のある抗がん剤を用いることが重要です。
肺がんの全身療法である「化学療法」と、局所療法である「放射線治療」の効果を組み合わせた、「化学放射線療法」。外科手術による治療ができないケースなどでは、期待できる治療法のひとつと言えるでしょう。
