小細胞肺癌の高齢者(65才以上)におけるイリノテカンとシスプラチンの化学療法併用
イリノテカンとシスプラチンの化学療法併用は小細胞肺癌(SCLC)患者に対する一般的な治療法の一つである。しかしながら、高齢者においてはその効果と毒性が十分に文書化されてはいない。この第Ⅱ相臨床試験において、我々はイリノテカンとシスプラチンの化学療法併用の効果と毒性の評価を行い、まだ治療を開始していない進展型小細胞肺癌(ED-SCLC)の高齢患者において加齢が影響を及ぼすのかについて検討した。
方法
この研究では、65才以上の進展型小細胞肺癌(ED-SCLC)でまだ治療を開始していない46名の患者が1,8,15日目にイリノテカン60mg/m2と、1日目シスプラチン60mg/m2から成る併用化学療法を受けた。治療は最大6サイクルを終えるまで4週間毎に繰り返された。
結果
男性37名、女性9名で構成された患者は、年齢の中央値70才(幅65-81才)であった。完全寛解と部分寛解はそれぞれ19.6%(9/46例)、56.5%(26/46例)でみられた。
全般的な奏効率は76.1%(95% C.I.63.8-88.4%)であった。全般的な生存の中央値は10.4ヶ月(幅7.6-13.2ヶ月)であった。無増悪生存の中央値は8.32ヶ月(幅6.8-9.8ヶ月)であった。主な毒性は好中球減少(グレード3-4、 30.4%)、白血球減少(グレード3-4、49.9%)、感染症(グレード3-4、39.1%)、下痢(グレード3-4、30.4%)が含まれた。
熱性好中球減少は、ECOGによる全身状態指標(PS )0-1よりも2-3の患者の方が著しく高かった(70.4% 対 5.2%、p=0.001)。全身症状がECOG 3の患者においては2通りの治療が死に繋がった。
結論
我々の結果は、イリノテカンとシスプラチンの化学療法併用が、ECOGレベルが良好なED-SCLCの高齢患者には有効な治療であることとともに、ECOGレベルが芳しくない高齢のED-SCLC患者においては、医師がこの治療の後に起こる骨髄抑制による罹患・死亡率のことも承知しておくべきであることを示唆している。
出典
Combination chemotherapy with irinotecan and cisplatin in elderly patients (≥65 years) with extensive-disease small-cell lung cancerLung Cancer, Volume 61, Issue 2, August 2008, Pages 220-226
Hoon-Gu Kim, Gyeong-Won Lee, Jung Hun Kang, Myung-Hee Kang, In-Gyu Hwang, Seok Hyun Kim, Jong Ryeal Hahm, Yi Yeong Jeong, Ho-Cheol Kim, Jong Duk Lee, Jong-Seok Lee, Young Sil Hwang
